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サキ │ 麗宝学園1年生

サキは
みんなのアイドル!

私立麗宝学園高等部1年生(15歳)。心霊研究クラブ〈SDK〉のメンバー。小柄で幼さの残る人形のような少女。頼まれたら拒否できず、何でも言うことを聞いてしまうタイプ。SDKのメンバーからも、妹のように慕われている。しかし、じつは麗宝学園のお偉いさんの娘であり、「何でも言うことを聞いてしまう」のは、そのほうが自分にとって都合がよいという計算も働いてる。なかなかの食わせ物。

私立麗宝学園高等部1年生(15歳)。心霊研究クラブ〈SDK〉のメンバー。小柄で幼さの残る人形のような少女。頼まれたら拒否できず、何でも言うことを聞いてしまうタイプ。SDKのメンバーからも、妹のように慕われている。しかし、じつは麗宝学園のお偉いさんの娘であり、「何でも言うことを聞いてしまう」のは、そのほうが自分にとって都合がよいという計算も働いてる。なかなかの食わせ物。

サキはれいほう学園高等部の1年生。ハルカヤヨイマヒルと同様に、心霊研究クラブSDK(Sinrei Daisuki-ko:心霊大好きっ子)に属していて、みんなからは妹のように慕われています。

まあ、こんな愛くるしい見た目だから、わかる気がしますね。

性格もおとなしく、何かを頼まれたら嫌といえないタイプ。だから、まわりから可愛がられるわけです。

サキについて特筆すべきなのは、元タレントという点です。それほど有名じゃありませんが、子役としてちょこちょこテレビドラマなどに出ていたようです。

だから、表情とかしぐさが、ほかの人とちょっと違うのです。

言い方を変えれば、なんか嘘くさい……あ、これは私の考えじゃありませんよ。マヨ先生がサキに初めて会ったとき、そう感じたそうです。

「あ……ごめんなさい……自己紹介が遅れてしまって」そう言いながら立ちあがると、深々とお辞儀をした。「ボク……わたくしはサキと言います。よろしくお願いしますぅ」

「いや、いいんですよ」私は恐縮しながらも、違和感を覚えた。サキちゃんの丁寧なふるまいは決して不快ではないのだけど、なんだか芝居がかって、心が篭っていない印象を受ける。「元子役」という先入観がそう思わせるのかな……。

細かいことですが、ここでマヨ先生は「サキちゃん」と呼んでいます。でも、学園では「サキ」と呼び捨てにしています。

じつは、マヨ先生が女子大生時代、つまり麗宝学園の教師になる前に、すでに中学生のサキと出会っているのでした。

「ふう……」しばらくしてサキちゃんがため息をついた。「で、ナツミさんとはえっちしたの?」

「へ?」思わず素っ頓狂な声をあげた。なに言ってるの……?

「あの……気を悪くしないでほしいんだけど、中学生の女の子に、そんな話をするのは……」

「あ、そうですよね。すみません。つい自分が中学生だってこと忘れちゃってぇ……」サキちゃんが笑顔になる。さっきまでとはちがい、ナチュラルな女の子の表情に見えた。

「……っていっても、えっちなことはしてないんだけどね。一晩おなじ部屋で寝ただけ」

「ひゃああ……」サキちゃんが大きく息を吸いこみ、目を見開いて、私を見つめる。

「どんなことしたの? ねえ、どんな感じ?」自分の言葉に興奮しているようだった。

「いや、ちょっとチュっと……」

「え〜〜〜っ、キスしたのぉっ!?」サキちゃんが突然甲高い声をあげた。その声は木霊のように響いた。だれもいないことはわかっていたけど、あたりを見まわさずにはいられなかった。

「いや、だから、ちょっと唇が一瞬、触れただけ、キスとはちがうよ」

元子役ということは、幼いころから、大人のいる社会で仕事をしていたということ。だから、同年代の子に比べて、異様に「ませて」いるわけです。

あとお気づきの方もいるかもしれませんが、サキの一人称は「ボク」。そう。ボクっ娘です。

人によっては、これも“萌え”ポイントかもしれませんね。

ハルカさんに聞いてみよう

──それでは、サキのことをよく知る生徒さんにお話を聞きたいと思います。ハルカさん、よろしくお願いします。

ハルカ よろしくお願いします。

──ハルカさんとサキさんの付き合いは長いのですか?

ハルカ はい。中等部のころからですから、SDKのメンバーの中では一番わたしが長いと思います。

──サキさんはどんな女の子ですか?

ハルカ やっぱり、元タレントさんということもあって、とてもかわいらしいです。顔とかが、っていうより、立ち振る舞いがキュートなんです。

──サキさんとは一緒に遊んだりするのですか?

ハルカ はい。わたしもサキも、あまり外に出ていくタイプじゃなくて、サキはゲームとかアニメにくわしいので、いろいろ教えてもらいました。

──サキさんについて何か印象的なエピソードはありますか?

ハルカ えっと……あの、お話してもいいんでしょうか?

──なんです?

ハルカ いえ……先生から『ネタバレになることは話さないで』って言われたので……。

──あは。心遣い感謝します。先生にもよろしくお伝えください。では、当たり障りのないもので。

ハルカ そうですね……麗宝学園には〈開かずの間〉っていうのがあったんです……これはいいですか?

──どうぞ。

ハルカ 〈開かずの間〉は、ふだん生徒が行き来しない別館にあって、夕方近くになると、陽が差さなくなって、薄暗いんです。だから、とても不気味で。その〈開かずの間〉に、サキと肝試しに行ったときのことが心に残っています。

──そのエピソードは、マヨ先生も憶えているみたいですよ。

「あいつら、肝試しだな」ヤヨイの声で我に返った。

「肝試し?」

「流行ってるんです。絶好のスポットでしょ? ここ」

「ねえ、あのコたち……知ってる?」

「小さいのがサキ。もうひとりはハルカ」

サキ! やっぱり。

「親しいの?」

「名前と顔ぐらいしか知らない。サキはまだ中等部だしね」

──ハルカさんにとってサキさんはどういう存在ですか?

ハルカ かわいい後輩というか、友達というか、妹というか……あんなことがあったけど、今では大切な存在だと思ってます。

──「あんなこと」には突っ込まないほうがいいでしょうね。ネタバレになるから。

ハルカ はい……すごく恥ずかしいです。

サキ

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